いざという時の応急処置

 

転倒、転落(心配なのは頭を打ったとき)
    まず、落ち着いて子どもの様子を観察します。

《 すぐ泣いた 》
 その後数日間は様子をみます。その間、次の中のひとつでも表われたら、 急いで診察を受けるようにします。
@しきりにぐずる
Aしきりに吐く
Bひきつける
C耳や鼻から血や黄色い液体が出る

《 意識がない、ひきつける 》
 
急いで救急車を呼びます。

《 様子がおかしい 》
 意識はあってもぼんやりしていたり、しきりに吐くようなら、病院で診て もらいましょう。
元気でも、あまり高い場所から落ちたときなども、念のため診察を受けます。

やけど(小さくても機能障害につながることも)

《 大きなやけど 》
 お湯をかぶった、熱いお風呂に落ちたなど、やけどの面積が広いときは、急いで水で冷やし、同時に救急車を手配します。ぬらしたシーツやバスタオルで くるみ、病院へ運びます。

《 小さなやけど 》
 
やはりすぐに水で冷やします。衣服の上からやけどした場合は、まず十分に 冷やしてから、ハサミを使って脱がせます。ただし、衣服が皮膚にくっついて いたら、絶対にはがさずそのままにしておきます。
患部に消毒ガーゼなどをかぶせ、診察を受けます。
 

異物誤飲(何を飲んだか見極めて対処)

《 固いものを飲んだとき 》
 飲んだものがボタン、コイン、おもちゃなどの固いもので、子どももすぐに平 常通りに遊び始めたら、胃に入ってしまったと判断していいでしょう。
 ただし、ボタン電池のときは、胃の中で溶け出すおそれがあるので、危険です。 平気な顔をしていても診察を受けましょう。それ以外の場合は、2〜3日便を観 察し、排泄されてしまえば、もう安心です。
  一方、激しくむせるときは気管に入ってしまった可能性があります。逆さに抱 き上げ、背中をたたき吐かせます。それでも取れず、呼吸が苦しそうなら、救急 車の手配を。取れたときも、念のため医師に相談をしましょう。

《 薬品などを飲んだとき 》
 飲んだものが薬品などの場合、口の中にまだ残っているようなら、指でかき出 し、舌を押して吐かせます。
  飲み込んでしまっている場合、ものによって吐かせた方が良い時と悪いときが あります。薬など、もともと飲むためのものは、吐かせるのが一般的です。反対に、食道を傷つける恐れのある強酸性、アルカリ性のもの、石油類は吐かせません。
  1歳未満の赤ちゃんに最も多く発生するのが、タバコの誤飲です。タバコ1/4 で、赤ちゃんは中毒を起こします。タバコを食べた場合は、口の残りを指でかき 出したのち、水を飲ませて吐かせます。
  判断に迷うなら、中毒110番に電話し、飲んだものの毒性などを教えてもら いましょう。医師にかかる場合は、薬品などの入っていた容器を持参すると、よ りスムーズに診察が受けられます。     

目に異物(入ったものが薬品、洗剤なら至急診察を)

 入ったものが砂やほこりなら、スポイトやヤカンを使い、水で洗い流します。 洗剤、薬品なら、水で流した後、急いで診察を受けます。     

骨折、脱きゅう(そえ木をして病院へ)

 動作がいつもとちがう、不自然だというときは、骨折しているかもしれません。 骨折していると、触ったり動かそうとすると、激しく痛がります。 そえ木を当てて骨折部分を固定し、整形外科へ連れて行きます。     

鼻血(出血時に頭を後ろへそらさない)

 まず、やや下を向かせて抱っこします。鼻にティッシュなどを丸めたものを入れ、 鼻をつまみます。寝かせるときは、頭を高くして、頭を後ろへそらすと、血を飲み 込んで吐き気をもよおすことがあります。 20分以上もとまらないようなら、耳鼻科へ連れて行きます。

ワンポイントアドバイス

救急箱にそろえたいもの

◎ 消毒薬…すり傷や切り傷に
◎ 消毒ガーゼ…やけどのときは、診察までこれを患部にあてる
◎ かゆみ止めの抗ヒスタミン剤…虫さされに
◎ ガーゼ・包帯・絆創膏・傷テープ・脱脂綿・ハサミ・毛抜き・虫メガネ

救急車の呼び方

◎ 通報する

@119番に電話する。(なるべく携帯電話、PHS、自動車電話 は
  使わない。地元の消防局につなぐために一般の電話を使用する)
A「救急です」と言う。
B事故の起きた場所、通報者の名前、患者の年齢、
  事故の状況(どこで、どのよ うにして、何が起こったか)を、
  救急隊員の質問に応じて告げる。
C応急処置の方法を教わる。
D指示に従い、落ち着いて待つ。
Eサイレンが近づいたら、場所の誘導を行う。

◎ 隊員が着いたら

@通報してから行った処置、容態の変化などを説明する。
A持病があるときは、かかりつけの医師を伝える


福岡県(財)福岡県地域福祉振興基金作成
"0歳から3歳までの育児の?にこたえるハンドブック子育て1・2・3"より引用